元介護事務員が教える介護事務の仕事内容
「介護事務に興味はあるけど、どんな仕事をしているのかよく分からない…」という方へ!介護の基本的なお仕事内容を紹介します。
仕事内容について事前に知っておくと、入社してから「思っていたのと違った」と後悔することがなくなります。さらに仕事のイメージができていれば、活躍しやすくなります!
ここでは、介護事務の仕事内容について詳しく解説。必要なスキルも説明しているので、ぜひ参考にしてください。
介護事務は介護職をサポートするお仕事
介護事務とは、介護施設で働く事務員のことです。「事務員」と言われても、経験したことがないと、あんまりピンときませんよね。そこでまずは、介護職との違いについて説明します。
介護職とは、利用者が快適に生活できるようにお手伝いするお仕事。いわば介護現場のプロです。一方、介護事務のお仕事は介護職をサポートすることです。仕事内容は、備品発注や来客対応などのデスクワークがメインなので、現場に入って介護することはありません。
ここからは、具体的なお仕事内容についてみていきましょう。
介護事務の仕事内容とは?基本的な7つの業務
介護施設には、次のようにいくつか種類があります。
・特別養護老人ホーム
・介護付有料老人ホーム
・介護老人保健施設
・グループホーム
・サービス付高齢者住宅
施設によってサービス内容は違いますが、介護事務の仕事内容に大きな違いはありません。そこで、ここでは介護事務の仕事内容をご紹介します。
1.介護報酬請求
介護報酬請求は、もっとも大切な介護事務のお仕事の一つです。なじみのない言葉なので、少し難しいかもしれませんね。
簡単に言うと「今月は、○○円支払ってください」と国に請求することです。介護サービスは費用が高いため、利用者が全額払うのは大変です。そこで、国が利用料の9割を負担し、利用者の代わりに介護施設に支払います。
例えば、1泊10,000円で泊まったとき、利用者は1,000円を介護施設に支払います。そして残りの9,000円は国が介護施設に支払うようなイメージです。このとき、国が支払う9,000円を介護報酬と言います。
介護施設にとって介護報酬は重要な収入源。介護事務は、介護報酬をもらうために、請求書を作って請求します。
2.利用者用の請求書を作成
介護報酬を国に請求したら、残りの1割を利用者に請求します。このときの請求書を作るのも介護事務のお仕事です。
この請求書も「引き落とし締め切り日」に間に合うように、作成しなければなりません。毎月一人一人の請求書を作って請求するまでが、介護事務のお仕事です。
3.備品発注
介護事務は、テープや封筒などの備品発注も行います。おむつやゴム手袋など、介護職の方が必要とする備品もチェックし、足りなくならないように発注します。
4.電話対応
事務所での電話は、基本的に介護事務が受けます。問い合わせの電話は、市役所や利用者の家族からかかってくるのが一般的です。
電話対応では、「誰から、どのような要件か」を聞いて、適切に対応します。サービス内容など、自分で答えられることはその場で回答し、自分で対応できないときは担当者に取り次ぎます。
業者からの電話の場合、「誰に用事があるのか」を伝えてくれるので、基本的には取り次ぐだけ。自分で対応することは少ないので、とくに困ることはありません。
一般の方の場合、誰に電話をすればいいか分からないまま、かけてくることがあります。そのため、しっかり要件をヒアリングするのが大切です。
電話対応は緊張するかもしれませんが、専門用語について勉強しておくと、かなり楽になります。
5.来客対応
来客対応とは、業者や新規の利用者が来たときの対応です。お客さまが来る日はあらかじめ決まっているので、人数と来客時間を確認しておき、お茶の準備や室温を調節しておきます。
とくに、初めて来る人にとって、第一印象はとっても重要。お客さまが過ごしやすいように気を配るのが大切です。
6.勤怠管理
給料計算などの勤怠管理も介護事務のお仕事です。職員の給料に関わるので、間違いのない正確な作業が求められます。夜勤がある施設だと、1カ月のシフトを確認しながら夜勤手当の計算なども行います
7.施設整備
冷暖房が効かなかったり、電気がつかなかったり、設備トラブルが起きたときの対応も介護事務が行います。また介護に使う設備が故障しているときは、介護職にも状況を説明して一緒に対策を考えることもあります。
これらの7つが介護事務の主な仕事内容です。計算や資料作成などのデスクワークが中心。仕事内容に求められるスキルを知っておくと、スムーズにお仕事ができます!
そこでここからは、介護事務で必要なスキルを3つ紹介します。
介護事務に求められる3つの能力
介護事務に必要な能力は、大きく分けて3つあります。
納期を守り仕事をてきぱき進める力
介護事務では、納期を守ることがとにかく重要です。納期に遅れると、介護報酬を国からもらえなかったり、大問題につながることもあります。そのため納期に遅れないように、てきぱきと仕事を片付けていく力が必要です。
コミュニケーション能力
事務所には一般の方からの電話もかかってきます。このとき、専門知識で説明すると、相手にうまく伝わらないことがあります。なので、難しいことをかみ砕いて説明できるコミュニケーション能力も問われます。
介護保険の知識
なにより、介護保険について理解しておくことが重要です。介護業界は人員不足なので、知識を身につけていなくても採用してもらうことはできます。
しかし、介護保険について詳しい人は少ないため、理解している人は貴重な人材として重宝されます。例えば、よく勉強しているとすぐに仕事を任せてもらえるので、役職につきやすくなり、昇級のチャンスも広がります。
そのため介護事務を考えている方は、講座などで勉強しておくと良いでしょう。言葉を知っておくだけでも、「介護について勉強している」と周りも分かるので、仕事を任されやすくなります。
まとめ
介護事務の仕事内容・必要なスキルについて紹介しました。
介護事務は、介護職が働きやすくなるためのサポート役。高齢化が進むと介護施設を利用する人が増えるため、介護事務の需要が高まります。
介護事務になるために必要な資格はないので、無資格でも採用されます。しかし何も知らない人より、介護保険について知っている人が有利です。
入社してからだと、仕事内容を覚えるのが大変でじっくり勉強できません。そのため、転職するまでに、「介護事務のノウハウ」が学べる講座で勉強しておきましょう。ぜひ介護保険の知識を身につけて、即戦力として活躍してくださいね!