医療秘書とは?どんな資格?
医療秘書は大変?仕事内容と1日の流れ
医療秘書として求められるスキルや知識は、院長秘書、部長秘書、医局秘書、病棟クラークなどの業務になります。
医療秘書技能認定試験のためには、「秘書業務」「クラーク業務」について学習します。勤務先によっては実際の勤務内容は秘書業務のみであったり、医療秘書とクラークの兼務であったりと分かれるようです。
医療秘書の大変なことについて調べると、意外にも業務とは別の部分の大変さを懸念する声もあります。医療秘書は医師・看護師、院長、取引先など幅広い方々との調整役を担うため、人との関わり方についての大変さがあるようです。
病棟クラークは病棟内の事務。つまりナースステーションでの事務になります。(中略)病棟クラークは、ずっと病棟にいなければいけませんので、看護師との関係が大変そうです。
参照:Yahoo!知恵袋
また、医局や病棟で働くこと、院長や部長といった役職者の秘書ということを踏まえれば、業務内容が「大変で忙しい」といったことは想像がつきます。医療秘書の1日のスケジュール例は下記の通りです。
時刻 | 業務 |
---|---|
8時30分 | 出勤、朝のミーティング |
9時00分 | 院長や医局長とスケジュールの相談、調整 |
9時30分 | 相談した内容でスケジュールを更新 来客対応 電話対応 メールや書類の返信・返送 など |
12時30分 | ランチ |
13時30分 | 午後の診療の準備 取材依頼への対応 外出する職員のサポート |
15時00分 | 学会資料や研究文献の検索 |
17時00分 | 書類や研究データをまとめ、提出・投函 |
17時30分 | 退勤 |
上記は秘書業務を中心とした医療秘書のスケジュール例です。クラーク業務を担当する場合、診療時間中は病棟クラークに専念することがあります。
医療事務や医師事務作業者との違い
医療秘書と混同されやすい職業に「医療事務」「医師事務作業補助者」があります。
医療事務は、外来患者の受付と診療報酬の計算が主な業務です。レセプト作成スキルが重視されます。対して医療秘書の主な業務は、上記で紹介した通り院内スケジュールの調整や患者以外のお客様への対応ですので、管理能力や調整力が重視されます。
また、医師事務作業補助者は医師の行う事務業務のサポートを行います。カルテ入力や診断書作成、レントゲン画像のデータ管理といった、医師が診察で使用する書類やデータの作成・補助業務を行います。
医療秘書の行うスケジュール管理や研究資料の作成補助と比べ、診療・医学に近い立ち位置でサポートを行うのが医師事務作業補助者です。
医療秘書になるには?
医療秘書の検定試験に合格しよう
医療秘書は、医療事務とは異なり秘書業務も行います。従って、医療事務の試験範囲では補えない知識を習得する必要があります。
そこで活用したいのが、医療秘書技能検定試験です。「医療秘書教育全国協議会」が主催する試験で、年に2回、初夏と秋に受験チャンスがあります。試験に合格し、医療秘書の業務に必要な知識を持っていることを証明しましょう。もちろん、履歴書に記入できる資格試験です。
試験内容については後述しますが、初心者の学習しやすい3級から始め、実務経験を重ねながら2級、準1級、1級と段階的にチャレンジできます。
1度の受験で終わらずに上のレベルを追い続けることができるので、中長期的なキャリアも見据えてレベルアップしたい方にはぴったりの資格試験です。
それでは、医療秘書技能検定試験について詳しくご紹介します。
医療秘書技能検定試験の概要
医療秘書技能検定試験とは?
医療秘書技能検定試験は、医療秘書の知識と技能を認定する資格試験です。
医療秘書に関する知識やスキルなどを証明する資格ですが、医療事務のスキルとして欠かせないレセプト作成、診療報酬点数表の理解なども求められます。
医療秘書として求められるスキルや知識は、病棟クラーク、院長秘書、部長秘書、医局秘書などの業務になります。
試験は3級〜1級に分かれているため、自分のレベルに合わせて段階的にスキルアップできる点がポイントです。
試験の日程
医療秘書技能検定試験は年に2回(6月・11月)の実施です。2022年度の実施日程は下記の通りです。出願は試験日の1ヶ月前までに済ませる必要があります。
試験回 | 試験日 | 願書受付期間 |
---|---|---|
第68回 | 2022年6月5日(日) | 4月5日〜5月5日 |
第69回 | 2022年11月6日(日) | 9月6日〜10月6日 |
試験の内容
試験は各級とも領域I、II、IIIの3領域から構成されます。
- 領域Ⅰ:医療秘書実務、医療機関の組織・運営、医療関連法規
- 領域Ⅱ:医学的基礎知識、医療関連知識
- 領域Ⅲ:医療事務(レセプト作成、診療報酬点数表の理解)
後述しますが、試験の合格には各領域で満遍なく得点することが求められます。医療秘書技能検定試験では、医療事務の実務の周辺知識も含め、総合的な知識が問われるのです。
難易度と合格率
難易度と合格率は試験の級により異なります。3級の合格率は70〜80%と比較的高めの水準ですが、2級は50〜60%、準1級・1級は20〜30%程度と段階的に低くなっています。
なお、試験の合格ラインは300点満点(3領域、各100点)のうち180点以上かつ各領域60点以上です。試験全体の合計点は180点を超えていても、3領域のうち1つでも60点未満であれば不合格となります。偏りのない知識が求められる試験であることが伺えますね。
<医療秘書技能検定試験の概要>
項目 | 内容 |
---|---|
受験資格 | 特になし |
試験実施日 | ■年2回(6月、11月)日曜日実施 2022年6月5日(日) (2022年4月5日~2022年5月5日) 2022年11月6日(日) (2022年9月6日~2022年10月6日) ※提出書類は、申込み期間内に協会に必着のこと。 |
試験時間 | 1級 9:30~12:00(前半70分、後半75分) 準1級 12:30~14:30(前半55分、後半60分) 2級 15:00~17:00(前半55分、後半60分) 3級 12:30~14:30(前半55分、後半60分) |
試験内容 | 試験は3級、2級、準1級、1級があります。 3級が基礎的な知識と技能を求められるのに対して、 1級では高度な知識と技能をもち、複雑多岐な業務を専門的に遂行することが求められます。 ・医療秘書実務 ・医療機関の組織・運営、医療関連法規 ・医学的基礎知識、医療関連知識 ・医療事務 |
受験料 | 1級 6,500円 準1級 5,800円 2級 5,100円 3級 4,000円 1級・準1級併願 12,300円 準1級・2級併願 10,900円 2級・3級併願 9,100円 ※受験料は一般受験者のものになります。 ※一般受験者は、受験料を指定の銀行へ振込みとなります。 |
合否発表 | 試験実施から約1ヶ月半後に送付。 |
合格基準 | 領域I、II、III、各100点の配点の中で、合計の正解が180点以上であり、 かつ、各領域の正解が60%以上で合格となる。 |
受験場所 | ■各都道府県の指定の、専門学校などで実施されます。 【北海道・東北】 北海道 【関東】 東京都、茨城県 【甲信越・北陸】 長野県 【東海】 愛知県 【関西】 大阪府 【中国・四国】 愛媛県 【九州】 福岡県、鹿児島県 |
※試験概要は変更される場合もあります。詳細は「医療秘書教育全国協議会」にて確認するようにしましょう。
医療事務の試験は民間で数多くあり、また対応講座も多くあります。下記リンク先に、医療事務の講座をまとめました。こちらも参考にしてみてください。
医療秘書を目指せる講座
ここでは、医療秘書を目指せる講座をご紹介します。気になる講座があったら、講座の詳細や資料をご覧になり、じっくり検討してみてください。
医療秘書講座の定番「医療秘書講座」
医療秘書に特化した講座があるのをご存知でしょうか。本講座は、患者様に寄り添った接遇マナー、医療現場の基礎知識、診療報酬など実務的なカリキュラムを中心に構成されています。
医療秘書の現場で本当に役立つ知識とスキルを身に付けたいあなたにぴったりです。就職サポートも活用すれば、医療秘書の資格取得から就職まで一貫したサポートを受けられるお得な講座です。
自由な時間に学ぶ「医療事務+診療報酬試験対策講座 eラーニングコース」
通学が不便な方や好きな時間帯に学習したい方には、通信講座がおすすめです。
新型コロナの影響もあり、通信教育はPC・スマホで学習できるeラーニングが主流になってきています。eラーニングは移動中などのスキマ時間を有効に活用できるため、働きながら資格を目指す人や子育てと学習を両立したい女性からの人気が高い学習方法です。
こちらの講座は「医療事務のカリキュラムの中に医療秘書の基礎知識も含まれる」という形での学習になります。医療秘書の資格にどの程度まで対応できるか、事前に資料や問い合わせで確認することをおすすめします。
医療事務周りの業務をマスターする「医療事務総合講座」
医療秘書、医療事務に関する全体的なレベルアップを図りたい方には「医療事務総合講座」がおすすめです。
医療秘書の資格のほか、医療事務資格の最高峰と言われる「診療報酬請求事務能力認定試験」や電子カルテの活用スキルを向上させる「電子カルテオペレーション実務能力認定試験」などにも対応。医療事務の基礎から上級レベルまで、深みのある学びが魅力的な講座です。
独学で医療秘書技能検定に合格できる?
医療秘書技能検定は、3級であれば独学のみでも合格の可能性は十分にある試験です。
2級や1級も独学で受験は可能ですが、試験の難度も上がります。独学のみで合格水準に達することができそうか、試験勉強を開始する前に検討してみましょう。
なお、類似した名称の「医療秘書認定試験」には受験条件があり、日本医師会が指定したカリキュラムを修了する必要があるため、独学のみでは合格できません。
医療事務の独学については、下記の関連記事で詳しく解説しています。独学をするか迷っている方は1度目を通しておくと良いでしょう。
関連記事:医療事務の資格は独学でも合格できるか?
医療事務講座の比較に役立つ!無料パンフレット
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講座選びで気になるポイント
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