介護職員処遇改善加算とは、「介護職が今より働きやすくしよう」という制度。しかし、「どんな制度なのか、想像もつかない」と思う人もいるかもしれませんね。
そこで、ここでは介護職員処遇改善加算とは何かを詳しく解説。「どれくらい給料が上がるの?」「パートも受け取れる?」など、分かりやすく紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
介護職員処遇改善加算とは
介護職員処遇改善加算は、介護施設を働きやすくする制度
介護職員処遇改善加算は、「介護職が働きやすくしよう」と国が考えた制度です。介護職は体力も使う大変な仕事。給料も少なく、キャリアアップもできなければ、「介護職になろう!」と思わなくなりますよね。
介護が必要な65歳以上の高齢者は人口の3分の1を占めていて、これからも増加する見込み。そのため、介護職が少なくなると国にとって大きな損害になってしまいます。そこで「介護職の給料を上げよう!」と「介護職員処遇改善加算」という制度が生まれました。
いくつかの要件をクリアすれば、介護施設は国からお金をもらえます。どんな要件かは、後で紹介しますね。入金されたら、施設は給料を上げて、キャリアアップの仕組み作りに使います。
現在、介護職員処遇改善加算を受け取っている施設は、90%。ほとんどの介護職は、介護職員処遇改善加算のお金をもらっているということですね。
それでは、介護職員処遇改善加算はどんな条件をクリアすれば、受け取れるのでしょうか?次から詳しく説明していきます。
介護職員処遇改善加算は、どうやったら取得できるのか
介護職員処遇改善加算は、次の2つを行えば受け取れます。
・キャリアパス要件と職場環境等要件に取り組む
・改善した実績を、市役所に提出
それぞれ詳しく説明します。
キャリアパス要件と職場環境等要件に取り組む
施設が「介護職員処遇改善加算」を手に入れるには、次の2つに取り組む必要があります。
・キャリアパス要件
・職場環境等要件
キャリアパス要件とは、介護職がキャリアを積みやすくすること。一方、職場環境等要件は、施設を働きやすく整えます。キャリアパス要件は全部で3種類。職場環境等要件と合わせて、合計4つ改善すると、お金を受け取れます。
・キャリアパス要件
Ⅰ:仕事に見合った役職や、給料体系を整備する
Ⅱ:スキルアップ研修を計画して実行、研修の機会を作る
Ⅲ:経験や資格に応じて給料を上げる仕組みや、昇給を判定する仕組みを作る
・職場環境等要件
職場を改善する(給料は含まない)
それぞれ何をすればいいのか、説明します。
キャリアパス要件Ⅰ:仕事に見合った役職や、給料体系を整備する
役職や給料体系を整理して、キャリアの仕組みが分かりやすくします。例えば、介護主任やリーダーなど役職についたときの給料はどれくらいか、就業規則にまとめます。そして、介護職みんなが内容を把握するという点がポイント。
役職や仕事に合った給料を決めて、職員が把握することで、介護職が将来設計を立てやすくします。
キャリアパス要件Ⅱ:スキルアップ研修を計画して実行、研修の機会を作る
職員それぞれに合わせた研修を行うと、介護職の介護スキルを向上できます。 例えば、新入職員は基本的なマナー研修や防災対策を学び、3年目の職員は現場で必要となる医療の知識を学ぶ研修を行います。さらに資格の取得に必要な費用は、介護施設が払います。
キャリアパス要件Ⅲ:経験や資格に応じて給料を上げる仕組みや、昇給を判定する仕組みを作る
昇給を判定する仕組みがあれば、介護職を全員平等に評価できるようになります。
例えば、「介護福祉士、ケアマネジャー、社会福祉士の資格を取ればそれぞれ1000円ずつ」給料に足されるという制度を作ります。 また、資格を2つとれば2000円、3つとれば3000円というように、資格の数に合わせて給料が上がる仕組みを作った施設も。
昇給の仕組みやポイントが分かれば、仕事にやる気も出てきますよね。将来の自分の姿を想像しやすくなり、仕事にも集中できます。
職場環境等要件:職場を改善する(給料は含まない)
職場環境等要件では、施設を改善するように求められます。ただし、給料の改善は含みません。
例えば、多くの介護職が悩む「腰痛」を減らすために、ロボットやリフトを購入。子育てとの仕事を両立するために、育児休業制度を設定したり、施設内に保育所を設置するところもあります。
制度を決めても、介護職が知らなくては意味がありません。どのように介護職に知らせるかも決めてから、初めて職場環境要件を満たせたと言えるのです。これらを満たせば、介護職員改善加算を受け取れます。
しかし、受け取るためには市役所へ申請しなくてはいけません。次からはどのように市役所へ申請するのか、説明します。
改善した実績を、市役所に提出
必要な要件をクリアしたら、報告書をまとめて市役所に提出します。
報告をもとに、市役所がお金を介護施設へ入金。そのお金を介護職の給料に足します。このように、「ここは、介護職のために努力している」と市役所に認められた施設にだけ、お金が渡されます。お金は、必ず介護職に払うと決められているため、看護師や調理師の給料には入りません。
しかし、どの施設でも同じようにお金が入るわけではないのです。最後に、施設によってもらう金額が違う理由を説明します。
介護職員処遇改善加算の金額は、施設で違う
介護職員処遇改善加算の金額は、施設によって違います。理由は次の2つです。
・4つの改善項目の、クリアした数が違う
・介護施設で、お金の使い方が違う
それぞれ説明していきます。
【4つの改善項目の、クリアした数で金額が変わる】
「4つの改善項目」のクリアした数で、施設への入金額は変わります。例えば、月額の給料が次のように違ってくることも。
・キャリアパス要件ⅠもしくはⅡ、職場環境等要件のどれかをクリア:1人当たり13500円
・キャリアパス要件ⅠとⅡ、Ⅲの全て、さらに職場環境等要件をクリア:1人当たり37000円
このように取り組み方が違うと、月2万円以上も差が生まれることもあるのです。さらに、この金額のまま給料に入るとは限りません。お金を受け取った後の使い方は、施設に任されるからです。次から詳しく説明します。
【介護施設で、お金の使い方が変わる】
お金を受け取った後、どのように使うかは施設に任されます。そのため、対象者やお金の振り分け方法も、施設によって違うのが現実。
例えば、原則、パート職員や派遣社員もお金を受け取れます。しかし、施設の中には雇用形態や勤続年数で、お金を渡すかどうか判断することも。毎月のお給料ではなく、ボーナスにして渡すところもあります。
そんな中、やはり優遇されるのは資格を持つ介護職です。未経験、無資格で働けるのも魅力的ですが、資格があると待遇が良くなります。今はネットで勉強できるものもあるので、忙しい方は資料を送ってもらうのも良いでしょう。
まとめ
介護職員処遇改善加算について、説明してきました。
介護職員処遇改善加算を受け取れるのは、「介護職が働きやすい施設にしよう!」と努力している施設。「改善項目」に多く取り組む施設ほど、お金がたくさんもらえます。介護職員処遇改善加算を多くもらっている施設は、介護職が働きやすい施設と言えるでしょう。
しかし、渡されたお金がどれくらい給料に入るかは、施設によってまちまち。 待遇を良くするには、資格を取得しておきましょう。しっかり勉強して自分のスキルも伸ばしつつ、満足できる職場で働いてくださいね。
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